インドの弁当箱「Dabba」間違えずに運び届ける“ダッバーワラ”はなぜ生まれた?
ナマステ!ムンバイオフィスのミイです。
秋の気配がしたと思ったのに、今日の東京は少し暑いです。早く涼しくなってほしいです~!
さて今回は、ムンバイバザールでも販売中のインドのステンレス弁当箱「ダッバー(dabba)」について、メリットや使用例、そしてそれを運び届ける人たちのことをご紹介したいと思います!
ダッバーとは、直訳すると「箱」という意味。ステンレス素材が主流で、何段か重なっています。2段、3段、4段と、さまざまな段数の弁当箱がある模様。
また、丸い形のイメージが強いかもしれませんが、以前ムンバイバザールでは長方形に近い形のも販売していました。(丸の2段以外は非売品または完売品です)
さてこのダッバー、どういうメリットがあるのかまとめてみました!
衛生的に使えるのはうれしいポイント!またニオイや色が移りにくいのは、カレーやスパイス料理を詰めるときにいいですよね。プラスチックだと、ニオイは落ちても色が落ちないこともありますから。
そして「見た目がかわいい」って大事ですよね(笑)。テンションが上がる見た目だと、作るモチベーションアップにもつながります。日本にも曲げわっぱというお弁当箱がありますが、その点は共通している気がします!
ちなみにデメリットとしては、電子レンジやオーブンでの使用不可、というところでしょうか。なのでダッバーに中身を詰めてから食べるまでに時間が空いてしまう場合は、冷めても美味しいものを詰めるのがベターですよ!
また、ステンレスでスタイリッシュなのですが、濡れたまま他の金属と一緒に置いておくと錆びてしまうことも。ただお手入れをきちんとすれば半永久的に使えますので、大切に使うことでエコにつながります。
さてインドには、このダッバーを家庭からオフィスワーカーに運び届ける「ダッバーワラ(ダッバーワーラー/dabba wala)」という人たちがいます。日本では、お弁当というと自分で持っていくのが一般的。インドにはなぜこういった仕組みがあるのか?気になったので社長に聞いてみました!
ダッバーワラについて、日本にはないシステムなのでどんなものか教えてください。
ダッバーというのは箱という意味。日本だと弁当箱ですね。「~ワラ」は「~をする人」「~屋さん」という意味で、ダッバーワラはダッバー屋さん、ダッバーを運ぶ人のことです。
インドにはダッバーワラを代々やっているコミュニティ、村がありまして。その村の人たちは親子、兄弟でそういう仕事をしています。それが100年くらい前かな、ボンベイ、今のムンバイでスタートしたんですね。
インド人って食べられるもの、食べられないものがあって、当時はカースト制度もまだまだあったから、誰が作ったかわからない、どこからきた料理かわからないものは食べられない。そこから始まったんです。
ベジタリアンの人は完全ベジタリアンだし、ちょっとでも肉と同じキッチンで作られると嫌だと思う人もいれば、ジャイナ教の人はにんにくがダメとか、いろんな制限がありますね。だからやっぱり、自分の家族、お母さんや奥さんが作った料理がいい、それ以外食べられないんです、逆に。そのニーズから始まったのがダッバーワラ。
なるほど!
自分が朝出社するときにお弁当を持っていけばいいんだけど、お昼に食べるころには冷めちゃうし、インド料理は熱々が美味しいっていうのもありますから。だからダッバーワラの人たちがお弁当をピックアップに来てくれるんですね。例えば11時に頼んでおくと、ピックアップして、お昼頃にオフィスまで届けてくれる。そうすると熱々が食べられるんです。
彼らの素晴らしいところは、コンピューターを使わない。全部記号なんですよ。
記号なんですね!それで間違わない。
そう。記号で、AからB地点まで行って、B地点からC地点までは電車、みたいに、1人がずっとやらなくても、引き継いでいくようなシステムができている。それで間違いなく届けられるようになってるんです。
どうして間違える確率が限りなく低いのか、海外の大学でも研究されてます。それでもたまにはあるんでしょうけど。映画の題材にもなりましたね。
映画の中では間違えちゃったけど、現実にはほとんど間違えないという。
そうですね。私の息子が大学の論文のために、1年半ムンバイに行って、フィールドワークでダッバーワラの生活を研究してたのね。なぜダッバーワラの職業が成り立つのか、そこに興味があったみたい。それはインド人の食文化、いろんなものが食べられないっていうところにあるんだけど。
それはすごく納得というか。日本人にも食物アレルギーの人はいますが、いろんなものを食べられる人が多いと思うので、外食とかコンビニで買ったりすればいいけど。うちのインド人スタッフもそうですもんね、何でもは食べられないから、ムンバイの店舗で作ってもらったりしているし…。
そうそう。食事って誰にとってもコアなんだけど、インド人にとってはより、いろいろ制限があるから、自分のアイデンティティなんです。
だから商売でもなんでも、誰かとお付き合いするときにそれが大事なポイントになってきます。日本ではさ、焼き肉好きなの?それともすき焼き?って関係ないじゃない。
でもインド人とビジネスするときは、彼らは何を食べられるか、何を食べられないかを気にする。それを理解すると、うまくいきますね。この人はわかってくれる、って。
なるほど。
ダッバーワラはそういうニーズで始まったんだけど、最近は冷めてもいいおかずを詰めて、自分で持って行ったりもしますね。あとは保温性のあるタイプが出てたり。
そうなんですか!日本にもありますよね。
では、冷めてもおいしいインドのおかず、例えばどんなのがあるか教えていただけますか?
私たちが子どもの頃に持って行ってたのは、チャパティーの中にたまごを入れたりして、ロールにしたもの。あとサブジは冷めても大丈夫かな。インドってそこまで冷え冷えに寒くないので。例えば朝持ってって昼に食べても…
冷たいってほどじゃないんですかね。
欲を言えば熱々が美味しいけどね(笑)
それはそうですよね(笑)もし使うとしたら、インド料理だとどういうものを詰めるのがいいのかなと思って。
チャパティでしょ、あとはビリヤニとか。汁っぽすぎるものは避けますかね。アチャールとか。ダッバーは段が分かれてるから、味が混ざらなくていいんですよ。
確かに!ありがとうございました。参考にします!
人に運んでもらってまで家族が作ったお弁当を食べるのは、食の制限がいろいろあるから、というのはなるほどな~!と思いました。同じ宗教を信仰していても、人によって何を食べる・食べないが違ったりしますから。このことについては、以前書いたハラールやベジタリアンについてのブログを参考にしてくださいね。
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自分で朝持って出かけないのは、インド料理は熱々がおいしいからというのも納得です(笑)。ダッバーは温められないので、インドではどうしてるのかと疑問だったのですが、温かいまま運んでもらえるのはいいですよね。
ちなみにダッバーワラは、月額いくら、という感じで利用できるとのことです。この写真のように、勝手口にダッバーを置いておく家庭もあるのだとか。インテリアとしてもかわいいですね!
さてここで、ダッバーの使用例を3パターンご紹介します!
ダッバー使用例
まずはインドらしく、カレーです!漏れにくくなっている上の段にカレーを、下にごはんを入れてみました。
工夫したポイントは、冷めてもおいしいように油を控えめにしたこと、水分の少ないひよこ豆入りのキーマにしたこと、ごはんをズィーラライスにしたことです。実際に冷めてから食べましたが、油が浮いたりせずおいしく食べられました!もちろん熱々のほうが美味しいとは思います(笑)。
緑がないのは反省点ですが、このくらいシンプルなのもアリかと!
次は、日本のおかずを詰めたバージョン!インドの弁当箱だからって、インド料理を詰めないといけないってことはありませんから~。
こちらも冷めてもおいしいおかずを入れました。サラダとごはんを分けたので水分でべちゃっとなることもありませんでした。けっこういっぱい入るので、たくさん詰めるのがやや大変かも…。
最後はサンドイッチ弁当です!こちらもサラダの水分でパンがべちゃっとなることなく、おいしくいただけました。サンドイッチはそもそも温める必要がないので、ダッバーにぴったりかもしれません!
さてダッバーはオンラインショップ「ムンバイバザール」で販売中です!気になった方はぜひチェックしていてくださいね!
さて10月より緊急事態宣言が解除され、ムンバイグループも通常の営業時間に近づき、都内レストランでは酒類の提供も再開いたしました。まだまだ安心できる状況ではないと思いますが、少しでも多くのお客様にムンバイのインド料理をお楽しみいただけますように。
※最新の営業時間は各店舗ページにてご確認ください。
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— Mumbai + The India Tea House (@mumbai_teahouse) September 27, 2021
インドのおいもスイーツ
Coming Soon🍠✨
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10/1〜11/14頃まで
毎年人気「さつまいもラドゥ」に
今年は「さつまいもグジヤ」も登場!
ラドゥはカルダモン
グジヤはシナモンと
違うスパイスを使用✨
四谷と恵比寿で
ぜひお試しを🍠🙏#インドスイーツ pic.twitter.com/Gyydhex556
四谷店、アトレ恵比寿店では秋限定のインドスイーツもスタートしています!毎年人気の「さつまいもラドゥ」に今年初登場の「さつまいもグジヤ」をぜひお楽しみくださいませ!
では、また来月!
【次回は11月1日(月)に更新予定です】