春の訪れを祝うインドのお祭【ホーリー】
ナマステ!ムンバイオフィスのミイです。
春ですね~~~!オフィス&九段店のすぐ近くに桜の名所である千鳥ヶ淵があるのですが、まさに今、桜が満開です!新元号「令和」も発表され、新しい季節が始まったなあと感じています。
さて、平成最後の更新である今回は、インドのお祭りをご紹介!インドには、春の訪れを祝う「ホーリー(Holi)」というお祭りがあるそうです。なんだかとても素敵な響きですが…?
なんだこれ!!調べてびっくり。誰彼かまわず色粉や色水を掛け合うのだとか!色合いはとってもキレイですが、実際参加したら汚れがすごそうですね…。
「ホーリー」はヒンドゥー教のお祭りで、3月の満月の日から2日間祝うそう。2019年は3月21日(木)が満月でした。
もともとは豊作祈願のお祭りだったのが、悪魔払いの伝説などが混ざって、色水や色粉(または泥水)を掛け合うといった特徴のお祭りになったようです。別名「Festival of Colors」とも呼ばれるホーリー。この写真を見れば納得ですね。
ちなみに1月1日は祝日じゃないインドですが、ホーリーの日は祝日とのこと。
日本でも、ホーリーをモチーフにしたイベントが西葛西で開催されているのだとか!公園にビニールシートを敷いて色粉を掛け合うみたいですが、上の写真のように粉が舞っているほどではなくおとなしめな印象。以前は横浜でも開催されていたようで、実際のイベント写真を見たらインドに近い様子でした。今年はもう終わってしまいましたが、気になる方は来年ぜひ!
ホーリーについて調べていた私に先輩が教えてくれたのが、ホーリーにはインドのお菓子「グジヤ(Gujiya)」を食べるということ。日本だと端午の節句に柏餅を食べるような感じでしょうか。ディワリにはミタイを食べると以前書きましたが、ホーリーといえばグジヤ、なんだそうです。
グジヤは四谷店1FのMumbai + The India Tea Houseでもご提供中。餃子みたいな見た目ですが、中にココナッツやミルクを煮詰めた餡とナッツがたっぷり入ったスイーツパイです。個人的にはけっこう好きな味。気になる方はぜひ食べてみていただきたいです!
さてさて、インターネットで調べるにも限界があるので、今回も社長にいろいろ聞いてみましたよ!
ホーリーは春の訪れを祝うお祭りということで合っていますか?
春の訪れを祝うのと、友情を確かめ合うお祭りです。例えばケンカしたままになっていた人と、お互いのほっぺたに色のパウダーをつけることで仲直りしたり。
そうなんですね!
インドの映画では、ホーリーの歌とか踊りが扱われてたりします。
あとは、インドではなかなか男女が手をつないだり肌を触ることって難しいのね。特に昔は。今は全然違うけど、40~50年前はみんなの前でスキンシップを持つことはなくて。
でもホーリーのときはお互いのほっぺに色を付けたりするので、男性が気になってる女性のほっぺを触ったりとか。そういうロマンティックな面もあるの。
えぇー!じゃあ、もし触られたら「この人、私に気があるのかしら」って思う感じですか?
そうそうそう(笑)昔は、よ?(笑)
最近のインドは、みんな西洋化してるからそういうのはないんだけど、昔はホーリーをきっかけに男女が近づけたっていうのもありましたね。
へぇー!(興奮)
あとホーリーといえば必ず食べるお菓子はグジヤ(Gujiya)。前日か2日前から、家族じゅう女性はみんな誰かの家に集まって、延々と中身を詰めるんですね。日本でいうと餃子作るみたいな(笑)
(笑)
それでグジヤをどんどん作って、うちもやりましたけど、500個くらい作ったりして。それで次の日に揚げてシロップに漬けて、お友だちの家にお土産として持って行くの。
あと最近はプールを持っているお金持ちの人がいると、みんなでプールパーティーしたりするみたい。いろんな色が付くから、服を着たままプールに入っちゃう(笑)
へぇー!セレブっぽい…。社長はホーリーには参加されたことあるんですか?
もちろんあります。子どもの頃とか。インドでは大々的に、知らない人にも色をつけたりするんだけど、私は外国にいることが多かったから、外国では可愛く、赤いのをおでこにつけてお洋服は汚さないようにしていたかな。
顔だけ色をつける感じで。
そうそう。でもわざと新しい真っ白の服を着て、それにいろんな色を付けてもらうという人もいますよ。
あの色は洗えば落ちるんでしょうか?
昔は全然落ちなかったですけど、最近はどうなってるのかな。だから服は1回きりです。
なるほど(笑)私はホーリーについて知識がなかったので、まず写真を見たんですよ。それでびっくりして。汚れた後どうするのかなっていうのがすごく気になってしまって(笑)
なかなか落ちないから、最初から汚れてもいい服を着るの。
終わったら、汚れたままどこか行ったりするんですか?
ホーリーを遊ぶというんだけど、色で遊んだ後は1回家に帰ってシャンプーしたり着替えて、夜はまた出かけたり。
なるほど。あの…、楽しいんですかね…?
楽しいですよ、子どもは特に楽しい。
あー、子どもは喜びそうですね。私は汚れのことばっかり気になっちゃうんですけど(笑)
汚れのこと誰も気にしてない。はははは(笑)
そうなんですね~!私だけ(笑)じゃあホーリーは年に1回、すごく汚れるけどはしゃいで…
ハイになって(笑)
はははは(笑)
ネットで調べただけだと、仲直りできるチャンスだというのはわからなかったので、今いろんなお話を聞いて面白いなあと思ってます。
うちの母の話だと、ホーリーで友だちと仲直りするのはよくあったそうよ。
素敵ですね。春の訪れって響きもすごく素敵だと思ったんですけど。
そうよね。ホーリーはディワリに次ぐ大きなイベントです。
そうなんですね。その、気になる人に色をつけるっていうのも、すごくロマンチックですね。ちょっとやってみたいなって気もして(笑)
ねー(笑)
いいですよねそういうの。面白い。
ちなみに、ディワリは新月、ホーリーは満月の日ということなんですけど、ヒンドゥー教は月の満ち欠けを気にしてるんですか?
気にします。太陽もだけど、月をすごく気にしてますね。
他に月の満ち欠けを気にしたイベントや風習はありますか?
例えばうちの母は、満月の日は必ず断食をします。だから毎月1回は断食するの。
へぇー!断食すると何かあるんですかね?
清めるという感じかな。あと1年に1回、カルバチョート( Karwa Chauth Vrat /10月の終わり頃とのこと)っていう風習があって、それは、妻が自分の夫が長生きするように願いを込めて、朝から月が出るまで何も食べない、何も飲まないっていう断食をやるんです。
やっと月が出てきて月を見られたら、だんなさんと一緒に月を見て、だんなさんが奥さんの口に一口目を入れてあげて、それでごはんを食べるっていう。
へぇー!
朝ドレスアップするんだよね。例えば結婚式の真っ赤な衣装を着たりして。女性たち何人かで集まって、歌を歌ったり。ほら、おなかが空いてるわけだから(笑)
気を紛らすために(笑)
そうそう(笑)気を紛らすために近所の人がみんな集まって歌を歌ったり、物語を語ったりして、そのうちだんなさんが帰ってくるのね。それで待って待って、月がやっと見える。たまに月が見えないことがあるんだけどね。
月が見えない日はどうするんですか?
なかなか見えないからずっと待ってるんですよ。雨だったらどうしちゃうんだろうね?
そうですよね(笑)
ふふふ(笑)この風習は映画の中でも扱われています。今度そういう映画を見つけたら紹介しますね。映画観てると、こういう風習があるんだって思って面白いですよ。
ぜひ!今日のお話もとても興味深かったので、またいろいろ教えてください!
さて、春の訪れを祝うホーリー、どんなお祭りなのかだいたいわかりましたか?
個人的には、ケンカしていた友だちとの仲直りのチャンス、そして男女がお互いの好意に気づくチャンス(少なくとも昔は)でもあるということに驚き!そうすることで、より素敵な春を迎えられるのかもしれませんね。
私たちも、ホーリーには参加しなくても新しい季節をより素敵なものにしていきたいですね。新元号も発表されたことですし!新しい季節も、新しい時代も、始まるぞ!
平成から「令和」になっても、ムンバイへの変わらぬご愛顧をよろしくお願いいたします。
では、また来月!
【次回は5月6日(月)更新予定です】